TATTOO Artist
BENI

Biography

@rays.beni

幼稚園の頃からずっと絵が好きで、友達と遊ばずに怪獣とか車とか、男の子っぽい絵をひたすら描いてました。
朝起きたら幼稚園に行って、絵を描いて帰るみたいな生活をしてたんだと思います。
でも絵を描くこと以外は何にもできない、時計の見方もわからない子供で、他の子とは明らかに違う子供だったと思います。

小学校に上がってもずっと絵を描いていました。
そのころは漫画の絵、例えばドラゴンボールとかそういうのを描いていたんですが、途中からなぜか恐竜にハマって恐竜の絵ばっかり描くようになっていたんです。
親に、本だったらいくらでも買ってあげる、と言われてたので恐竜の本ばっかり買ってもらって、めっちゃ勉強して、もはや恐竜マニアのようになってました。

中学生になると部活でバスケを始めて友達とも遊ぶようになったので、小さい頃に比べると絵を描く量は減ったと思います。
そんな中、音楽にハマり出し、ハードコアやメタル系のバンドをやり始めました。
高校に行ってもバンドを続けてたのですが、海外のミュージシャンってタトゥーがゴリゴリに入ってるじゃないですか?
それがすっごくカッコいいな、と思ったのがタトゥーに対する憧れというか興味を持った始まりだったと思います。

高校生の時、確か17歳か18歳の頃に、イタズラ彫りで自分の足にタトゥーを入れたのが僕のファーストタトゥーです。
割り箸に裁縫用の針をくくりつけて、墨汁でハスの花を入れました・・・
まあ、今となっては若気のいたりなので皆さんは決してマネをしないようにしてください笑

高校を卒業してから、音楽でもプロになりたいという気持ちと同時に、漠然とタトゥーアーティストになりたいな〜っていう気持ちもあったんですが、
当時はタトゥーに関する情報が全くなく、ネットも今ほど普及してなかったので雑誌を頼りに必死に情報を集めていましたね。

それで、タトゥーの道具を揃えようと思ったんですが、全部をいっぺんに買う資金もなかったので、仕事をしながら毎月少しずつ揃えていきました。

何一つわからない状態から、例えばマシンに針をどうやって付けるのか?というレベルから始めました。
針もカタログがあったのですが、何を買っていいのかもわからず、これかな?と思って買ったものが全然違っていた、なんてこともありました。

とりあえず自分の脚を使って練習して、慣れてきたら友達に彫ったりしていました。

デザインについては、幼い頃から絵を描いていたので特に勉強という勉強はしませんでしたし、どこかの彫り師さんに教えてもらうということも全くありませんでした。
完全に独学ですね。今思えば遠回りをしたな、と思います。
これからタトゥーを始める人は、経験上、独学はおすすめしません。

ちゃんと彫り師さんにタトゥーを入れてもらったのは、佐世保のアメリカ人彫り師さんで胸に入れてもらいました。
この彫り師さんには、自分も彫り師をやっていることを打ち明けていて、デザインを見せたりもしましたが、特に教えてもらうといったことはありませんでした。

その後も他の彫り師さんに入れてもらうことがありましたが、自分もタトゥーアーティストであることを言えませんでした。
自分に自信がなかったのかもしれませんが、こんな中途半端な状態で彫り師を名乗ったら怒られるんじゃないかという気持ちがありましたね。
それでも実際に自分の体に刻まれていくタトゥーを見ながら、勉強というか技を盗んでいたということはあったかなと思います。

当時他の彫り師さんにタトゥーを施術してもらって印象に残っているのは、めっちゃスピードが速かったってことですかね。
それまで何もわからず自分でやってきたので、こんなにも速く彫らないといけないんだ〜って思っていました。

福岡の若い彫り師さんとSNSで知り合って、会って話したりもしました。
でもなんか僕と合わないというか、仲良くなれそうにないなあ〜って感じで・・・
でも彫り師ってそういう類の人ばっかりなのかなあと思って、
なかなか彫り師の人たちとも交流が持てなくて余計にタトゥーに関する情報が得られない時期が続きました。

 

 

タトゥーアーティストとして挫折を何度も繰り返しながら何とかやっていた僕は、
もちろんそれだけでは生活ができないので、タトゥーアーティストとは別に本業がありました。
長続きするところもあれば、すぐに辞めるところもあり、いろんな仕事をしてきました。

それで、そんな生活をしていていたのですが、「これはいつまで続くんだろう?」と思うようになって、
そういう人生がすごく嫌で我慢できなくなって、でも世の中みんな頑張ってやってるんだから、そんな考えは甘えだっていう気持ちで我慢してました。

でも、それ以上に体が動かなくなるというか、仕事に対して拒絶反応が出だして、
普通の人と言うと語弊があるかもしれませんが、そういった一般的な生活を送るのは僕には難しいんだって気づいたんです。

だったら、僕にできることを、人生かけてやるしかない。
貧乏しようが苦労しようが、それで生きていけるならそっちの方が断然幸せだから。

だからタトゥーアーティストには、なりたかったというより、結果それしかなかった、結果として彫り師をやっていた。という感じです。

22歳から10年ぐらい結婚生活を送っていて、その間もタトゥーをしていたのですが、
自宅の一室でやっていたので、なかなか大変でした。
前妻の協力もあまり得られない中、お客さんにも家族にも気を使うので、
専用スタジオが欲しいな〜とは思ってたんですが、先立つ物もなく、どうしようか・・・って感じでした。

当時福岡でやっていたんですが、つたないホームページからお客さんがチラホラ来てくれてたんですが、
大して上手くもない僕のタトゥーを目当てに来てくれてたリピーターさんたちに支えられていました。
もちろんイイ時期もありましたが、悪い時期もあり、タトゥーアーティスト一本では到底生活できるレベルではありませんでした。
「これは無理だ!」と思って諦めかけたことが何度もあります。
それでも、こんな僕でも彫って欲しいという人がいたから、またタトゥー施術して・・・
ということを繰り返していました。

いつだったか忘れましたが、押入れにタトゥーの道具を全部しまい込んで2〜3年ぐらいほとんどタトゥーをしなかった時期があります。
今思うと不思議ですが、道具を捨てようという考えは全くありませんでした。
あの時道具を捨てていたら、今の僕はなかったかもしれませんね。

たまーに、友達が来て途中で終わってるタトゥーの続きをして欲しいと言われれば、
押入れから道具を引っ張り出して、もはや一大イベントみたいな感じですよね、タトゥー施術の準備をするんですから。
でもタトゥーをやりだすと、めっちゃ楽しいんですよ。やっている間は楽しくて仕方ないんですよ。

以前からレイズのYouTubeチャンネルは登録しいて、全ての動画を見ていたので、
レイズのスタジオがどこにあって、もちろんダニエルさんの人柄や技術も知っていましたし、どんなスタジオかも知っていました。
なので彫り師募集の動画が公開されたときは衝撃でした。
その当時ちょうど、彫り師一本でやろう!って決心した時期で、自宅兼スタジオに使う家も決まっていたんです。
不安を抱えながらも、これから頑張って行こう!って思ってた矢先でしたから、
「え?やばい!これは僕のためにあるんじゃないか!?」
って、完全に神様の啓示かと思いました。

ダメ元でいいからこんなチャンスを逃す手はないと思い、もう速攻で応募しました。

面接が決まって実技テストがあるって聞いたときは、正直ヤバイ!って思いましたね。
まずデザインを決めるのにすごい時間がかかりました。
でも僕独自のテイストが出るデザインをチョイスして、自分の体に2回、本番用のデザインを練習のために彫りました。

本番はもうガクブルでしたね笑
めちゃくちゃ緊張してマシンを持つ手が震えていたのを察してくれたのか、
ダニエルさんが席を外してくれたので何とか施術することができました。

そしてテストが終わって、「採用」という言葉を聞いたとき、使い古されたような言い回しなりますが、まさに夢のようでした。
それは今でも思いますよ。
レイズの看板を見たとき、「あー、YouTubeのあのスタジオだ。」って。
「ほんとオレここで仕事してるわ。」ってまるで夢でも見てるのかって未だにふと思います。

タトゥーをしている時って、僕自身が一番ニュートラルになれるんですよね。
精神的に安定するというか。
だからタトゥーが好きなんだと思います。
長時間の施術でも、体力的には疲れますが心地のいい疲労感で、精神的には全く苦しくなく、むしろ達成感や喜び、の方が大きいです。

それとは逆に、自分のイメージと、自分の技術の未熟さから生じるギャップを感じた時は本当に悔しくて辛いです。
だからこそ、日々そのギャップを埋めるべく練習しています。
本当にタトゥーが上手くなれたら、すごい幸せな気分なんだろうな〜って思います。

人的には自分の中でマイブームなのかもしれないですが、
自然系、例えば植物や昆虫なんかのデザインでブラックを基調とした繊細なデザインが好きで、
それこそ恐竜のデザインとかめっちゃ彫ってみたいというか、自分に彫って見ようかなって思っています。

なので、将来的には、僕にしかできないデザインとタトゥーを身に付けたいです。
植物を入れるならBENIと言われるような、そんなアーティストになりたいですね。
僕にしかできないデザインやタッチ、それらを望んでお客さんが来てくれるなら、こんな嬉しいことはないのかもしれません。

僕から外せないものではあるかなと思います。
表裏一体ではないですが、僕から剥がせないもの。
もしタトゥーが無くなったら、どうやって生きていけばいいかわからないし、タトゥー以外できないし、やりたくないです。

本当に、あの募集動画は僕のために作られたのだと思っています。

 

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